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制度全体の解説

制度の骨格提示
専門医試験受験には、5年以上の医師としての経験を必要とする。
一年間以上の在宅研修プログラムを各在宅研修施設(施設群)が申請する。
このプログラム修了者に試験を行うことを基本とする。
ただし、自ら在宅医療を5年以上実践しているものは、実績に基づき専門医試験を受けることができるコース (実践者コース)も別途設ける。

在宅研修プログラム
研修プログラム受講の条件
以下の条件を満たすものは、在宅研修施設での研修プログラムを受け、専門医試験を受験することができる。
(1) 在宅医療研修プログラム終了時に医師として5年の経験があること

(2) 一年間以上の在宅医療研修プログラムを行う場合、以下の2つ研修条件を必要とする。
  ただし、在宅医療研修プログラムの中にこれらの研修を組み込んでもかまわない。
a) 半年間以上の内科での研修を修了していること
卒後臨床研修修了者は、卒後臨床研修の内科研修をこれにかえることができる。
内科研修については、総合内科、老年内科での研修が望ましい。
b) 緩和ケア研修(3か月相当)
緩和ケア研修については、緩和ケア病棟、あるいは緩和ケアチームでの研修が望ましい。
ただし、年間の在宅看取りが10名以上の在宅研修施設での研修においては、緩和ケア研修を免除することができる。
 例1)緩和ケア病棟3か月の研修 (のべ50日~60日相当)。
 例2)緩和ケアチームでの週1回、一年にわたる研修 (52日)。

在宅医療研修プログラム、研修施設認定の条件
(1) 在宅研修プログラムの申請を行う施設(主たる研修施設)は、在宅医療を指導できる指導医が常勤する施設とする。常勤とは、指導医が週4日以上勤務する施設とする。

(2) 在宅研修施設について申請するものは、毎年10月から翌年3月までの間に、研修プログラム・研修施設申請書(1-1,1-2)を作成し、提出する。 「研修プログラム・研修施設申請書(1-1,1-2)」には、研修プログラムの特徴や在宅医療の10のポートフォリオ領域のうちどのような研修が可能かなどが記載されているが、申請にあたってはこの内容を公開することを条件とする。

(3) 指導医は、日本在宅医学会認定「在宅医療専門医」とする。
ただし、2020年3月までの間、在宅医療の5年以上の経験をもち、教育に関して実績をもつものは、
指導医申請書(2)を提出し、暫定指導医の申請をすることができる(学会の審査を経て、暫定指導医として認定される。)プログラム責任者は、指導医大会に、研修プログラムの期限内(5年)に2回以上出席する。

(4) 研修施設は、研修者を常勤(週4日以上、複数の施設にまたがるプログラムの場合は週3日以上)で雇用できる施設とする。

(5) 複数の研修施設で一つのプログラムを共有する場合は、
主たる研修施設に週3日以上、プログラム全体として週4日以上の研修が必要である。
また、研修期間中は、プログラム全体で週4単位(半日を1単位として)以上の訪問診療の実務を経験させなければならない。

*研修者が研修プログラムの質によって研修施設を選択できるように、研修施設の雇用条件は一般に開示することを禁じる。
なお、研修終了後の継続雇用は、研修受け入れ条件にしてはならない。雇用条件は、各研修施設と研修者の合意によるが、研修期間中の待遇は常識の範囲内で設定する。

研修者の登録
プログラムコーディネーター(プログラム責任者)は、研修開始後1か月以内に、研修者登録用紙を専門医委員会に提出し、研修者を登録しなければならない。
研修者の登録がされていない場合、専門医試験の受験資格を得ることができない。

在宅研修施設での研修
在宅研修施設では、研修者は指導医とともに研修目標を設定する。
指導医は、定期的にフィードバックを行い、研修者が在宅医療に必要な領域を経験し、ポートフォリオを作成できるように援助する。
(1) 在宅研修施設での研修を行った申請者については、在宅研修施設で主治医として診療を行った30症例の報告を行う。
症例報告は3領域を各3症例以上、および在宅看取り例3症例以上を含むものとする。
(3領域とは、(1)がんの在宅緩和医療の領域、(2)認知症を含む高齢者ケアの領域、(3)内部障害(神経難病・臓器不全等)・小児若年障害者の領域とする。)。
この場合、主治医とは、治療方針を決定し、訪問診療あるいは往診回数の半数以上を実施し、診療やケア方針を決定する医師とする。

(2) 在宅研修施設研修期間中に、他施設交流研修を3回以上、3施設以上を経験し、所属する在宅研修施設以外の在宅医療について短期(一日以上)研修を行う。

(3) ポートフォリオの作成。
研修者は、各研修施設において指導医と面接し、ポートフォリオの各領域(10領域)から最低1項目と必須項目を含む15項目のポートフォリオを完成する。このポートフォリオは、このテーマにおいて自分がどのような実践を行ってきたかがわかるような内容であり、研修者の在宅医としての力を示すものである。
具体的な、ポートフォリオ作成の方法については、「在宅医療研修におけるポートフォリオ作成のてびき」を参照されたい。
提出されたポートフォリオは、一次審査及び二次試験のポートフォリオ面接で用いられる。

実践者コースについて
5年以上の在宅医療(訪問診療)の経験を有するもので、学会が認めたものは、在宅研修施設での一年間以上の研修を免除し、認定専門医試験受験資格を認める。

5年間にまたがり、主治医として診療を行った在宅症例60症例の報告を行う。
報告症例は、3領域を各6症例以上、および在宅看取り例6症例以上を含むものとする。

3領域とは、
 (1)がんの在宅緩和医療の領域
 (2)認知症を含む高齢者ケアの領域
 (3)内部障害(神経難病・臓器不全等)・小児若年障害者の領域とする。

専門医認定試験
専門医試験は2010年から毎年4月~6月の間に実施する。
専門医試験は、書類審査からなる一次審査と、臨床問題を含むMCQとポートフォリオ面接からなる二次審査からなる。

一次試験
研修者は、年間の在宅研修施設の終了時に、以下を作成し、提出する。
日本在宅医学会、専門医制度委員会は、これらをもとに一次審査を実施する。
 (1) 経験症例一覧(研修プログラム終了者30例、実践者コース60例)
 (2) 他施設交流研修(研修プログラム修了者、実践者コースともに3回以上)
 (3) 宣言書
 (4) ポートフォリオ(10領域15項目)

一次審査の提出物は以下のとおりである。
(1) 5年の経験についての証明
*医師免許証のコピー
*認定専門医資格審査申請書と履歴書(経歴書)
(2) 研修証明書
*在宅研修施設の研修終了証明書(見込み) (緩和ケア研修免除可否)
*他施設交流研修修了書(3通以上)
*卒後臨床研修修了書あるいは内科研修証明書(免除者は不要)
*緩和ケア研修証明書(免除者は不要)
(3) 一次審査
*宣言書 従来のものを使用
*症例報告(研修プログラム修了者30例/実践者コース60例)
*ポートフォリオ

一次審査合格者に対して、二次審査を行う。
(1) 多肢選択式問題と臨床問題からなる試験を実施する。
(2) 面接は、ポートフォリオ面接(ポートフォリオの成果物に関するプレゼンテーションとそれに対する質疑応答)によって構成される。

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